長宗我部元親伝−第４話

四国の三国を掌握した元親は、最後の一国、伊予を本格的に攻略し始めます。
長宗我部家同様、信長の手から逃れた毛利もまた、伊予の国人達を救う為に 戦力を注ぎ込みます。
元親は戦死した久武親信に代わり、弟である久武親直に南伊予攻略を任せます。
親直は順調に西園寺家の城を落としていき、居城である黒瀬城を陥落させました。
残るは河野家。
もはや、勝敗は火を見るより明らかだったので、戦ではなく元親は降伏勧告を促す。
元親は当主河野道直に向けて「貴殿との間柄はもはや家族も同然と思っています。
今後の為にも抵抗をやめて降伏してもらいたい。」
と言う書状を送った。
その誘いに応じた道直は全面降伏。
そして周辺豪族も次々と長宗我部家に降伏。
ついに伊予を手中に収めた。
1585年、47歳にして悲願であった四国統一をついに果たした長宗我部元親には、 天下に一番近い男との直接対決の時が迫っていました。

四国を統一したと同じ時期、織田家の混乱もおさまり、新しい天下人筆頭が生まれていました。
怨敵明智光秀を討伐し、織田家家督争いで反発した柴田勝家を越前にて滅ぼした羽柴秀吉です。
秀吉は元親に対して外交的交渉を投げかけます。
「讃岐と伊予を変換し、阿波と土佐を統治して欲しい」
という申し出です。
長い年月の末やっと手に入れた国を2国も渡す事など到底出来ない申し出であったが、秀吉の戦力は 強大でもあるので、
家臣谷忠澄に命じて
「伊予1国のみなら渡す。」
と返答します。
秀吉からしたら情けのつもりで出した案でした。
秀吉はこの返答を断り、征伐を開始する事を決めます。
1585年、天下人羽柴秀吉の報復が始まります。